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【くらし】内地から新島・式根島への引っ越し、どうすればいい?


2025/03/08

島ぐらし

春は出会いと別れの季節。特に島では3月に異動や進学などで島を離れる人が多く、毎日のように送別会や港での見送りに追われ大忙しです。その一方で、相談窓口では島外から移住してくる方からの問い合わせが増える時期でもあります。

特に多いのが、引っ越しにまつわる質問。島外から新島、式根島に引っ越しするには海上輸送が必須となるため、家財一式運ぼうとすると、思った以上に費用がかさんでしまいます。都内から引っ越しされる方からは「引っ越し業者に見積もりを依頼したら、30万円以上かかると言われてビックリした」という声もよく聞きます。

島外から新島・式根島へ引っ越しされた方は、どんな方法で引っ越ししているの? 費用をセーブする方法はある? Flowlifeスタッフが調べてみました!

*掲載情報は2025年3月8日現在のものです。

離島への引っ越しでハードルとなるのが、大型家具などの家財道具。そこで、大型の荷物は処分して、荷物を軽量化してダンボールに梱包し、ゆうパックやクロネコヤマトなどで送るという方法です。引っ越し経験者に「どうやって引っ越しましたか?」と聞いてみて、最も多かったのがこのやり方でした。

量や重さにもよりますが、ダンボール10~20箱ほどであれば5万円以下で済むことも。そのかわり、大型家電や家具を処分したり、荷物を減らして梱包したりといった作業に労力がかかります。特にゴミ回収日が限られている都内からの引っ越しは、早めに準備を進める必要があります。

苦労して梱包した荷物を窓口まで持ち込む手間もあり、なかなか骨が折れる作業です。なかには「10個以上のダンボールを一カ所のコンビニに持ち込めないので、友人と徹夜で数カ所に分けて持ち込んだ」という人も…。

料金やサイズは各宅配業者によって異なりますので、くわしくは各業者へお問い合わせを。新島・式根島ではゆうパック、クロネコヤマト、佐川急便の利用が多いです。

荷物が多い方や、ご家族での引っ越し、「大切なインテリアを処分なんてできない!」という家財にこだわりのある方は、東海汽船に依頼する方法があります。引っ越し業者(内地の陸送)→東海汽船(海上輸送)→島の運送会社(陸送)のリレーで荷物を運んでくれるので、手間がかからない分、料金はお高めになります。

くわしくは東海汽船のサイトへ。運賃シミュレーターもあります。こちら

自宅から東京・辰己ふ頭の貨物営業所まで自力で荷物を運んで持ち込み→貨物船で海上輸送→新島・式根島の港で荷物を受け取り→新居まで自力で運ぶというやり方です。

荷物が多いご家族での引っ越しや、転勤で島へ引っ越す自治体職員さん、学校関係の方などはコンテナごと貸し切るケースが多いよう。「荷物は宅配便で送り、大型の家具家電だけを貨物で送る」というパターンもあります。

この場合、自宅から辰巳ふ頭までと、島の港から新居までの陸送をどうするか?というのがハードルになります。内地ではマイカーがある、車を持っている友人が手伝ってくれる、レンタカーを借りる、引っ越し業者に頼むなど、何らかの形で辰己まで荷物を運ぶ必要があります。

新島・式根島に荷物を送る場合は、東海汽船(七島海運)を利用する方法と、新島物産を利用する方法の2種類があります。どちらも辰己ふ頭に受付があります。パッキングから持ち込み、陸上運搬までを自力で行うため、労力はかなりかかりますが、なかには実家の車を駆使して「2万円ほどで引っ越しした」という猛者も。

貨物船は運休日があるので、くわしくは各社のサイトで就航日などを確認するとよさそうです。貨物輸送について、くわしくはこちら。

東海汽船 新島物産

ちなみに転勤の場合、各島の港から新居までは職場の方が運搬を手伝うケースが多いです。春の引っ越しシーズンは職員総出で荷物を運ぶのを港周辺でよく見かけますよ。

新島・式根島への航路は東京・竹芝からの東京航路以外に、静岡県下田市の下田港を発着する通称「下田便」も利用できます。利島、新島、式根島、神津島をめぐる神新汽船のフェリーあぜりあは、カーフェリーなので車に家財道具を詰め込んで車ごと移動することが可能です。

自動車航走運賃は下田→新島・式根島間で約14000円前後~。車の長さによって料金が変わります。また運賃には運転者1名の2等運賃が含まれますので、2人以上で運ぶ場合は別途運賃が必要になります。

車ごと安く運べるというのが最大のメリットである下田便。ただし東京航路より欠航率が高いため、場合によっては「船が出ず下田に足止めくらって数日…」ということになりかねないのがむずかしいところ。

神新汽船についてはこちら

「離島だろうとどこだろうと、大切に乗ってきた愛車を手放すなんてできない!」「むしろ島らしい景色の中でドライブやツーリングを楽しみたい!」という方もいらっしゃることでしょう。

車、オートバイ、自転車は貨物船に載せて海上輸送が可能です。こちらも辰己ふ頭に持ち込んで東海汽船または新島物産に申し込みします。なお車内に荷物を積んだ場合、別途料金がかかりますのでご注意を。

東海汽船は車両海上運賃シミュレーターがあります。こちら

新島物産の自動車・オートバイの輸送運賃はこちら。

新島運賃  式根島運賃

またオートバイ、自転車の場合は、東海汽船の大型船さるびあ丸の受託手荷物として一緒に移動してくるという方法があります。東京から新島・式根島に運ぶ場合、オートバイは50cc未満3500円~。自転車は1台1800円。いずれも予約制で、梱包などに条件があります。

くわしくは東海汽船の受託手荷物運賃ページ

あれこれハードルがあり苦労も多い離島への引っ越し。「その大変さや島への想いを受け止めて、依頼者に寄り添ってくれる」と評判なのが、全国唯一の離島専門引っ越し業者・アイランデクス。離島引っ越し便を利用して、集荷から新居への配送まで、まるごと荷物を運んでもらうのもひとつの方法です。

2025年春の引っ越しシーズンは予約が埋まっているようですが、4月以降に引っ越しの予定がある方はぜひご検討ください。

くわしくはこちら。アイランデクス離島引っ越し便

新島・式根島にはリサイクルショップがないため、年に何度か行われるバザーやフリマを利用して家電や雑貨を安く入手する人が多いです。主な催しをご紹介します。

・社協のバザー

住民も楽しみにしているのが、新島村社会福祉協議会(社協)の福祉バザーです。家具家電から健康器具、食器、衣類、書籍、バッグに至るまで、品ぞろえがとにかく幅広いのが魅力。2025年2月に新島で開催され、次回は2025年11月頃の予定とのこと。

・Niijimaちょっくらバザー

引っ越しシーズンの春に開催されるのが、2011年から続く年に一度のチャリティバザー。家具、家電、食器、ゲーム、書籍など、こちらも品ぞろえ豊富。洗濯機や冷蔵庫などの必須家電や、おしゃれなインテリア家具などの掘り出し物も多く、購入希望者多数の人気商品は抽選になる場合も。新たに島へ引っ越してきた方は、チェックをおすすめします。

2025年は4月6日(日)に前浜のモヤイ店にて開催予定とのこと。売上は島内外の団体へ寄付されます。

くわしくはこちら ちょっくらバザーFacebook

・フリマやガレージセール

不定期ではありますが、フリーマーケットや自宅でのガレージセールなども開催されています。激安商品や掘り出し物に出会えるだけでなく、住民手づくりのクラフト商品が手に入ることも。

「冷蔵庫や洗濯機は島で新しく買えばいいや」とネットショッピングで送料無料の商品を注文すると、「離島発送不可」と断られてしまったり、「中継料」などの名目で追加料金を徴収されたりという経験をした人は多いはず。「一部離島を除く」の注意書きにバッチリ当てはまってしまう新島・式根島。離島お断りの商品をいかに安く運べるかが、ネットショッピングの勝負どころになります。

もちろんAmazonなど、送料無料で取り寄せられる商品はたくさんあります。ただし、大型の家具家電は送料の壁にぶちあたりがち。そんなときは、新島物産を利用する方法があります。都内送料無料の商品を購入し、「新島物産㈱辰己出張所」宛に発送。あとは新島物産が島まで運んでくれるので、海上輸送費のみで取り寄せることが可能になります。

大型の家具、調度品、背丈のある植物やインテリアなど、「ネットショップで断られた」とあきらめる前に、ぜひご相談を。くわしくは新島物産サイトへ

海を隔てた島暮らしは不便もありますが、やり方次第でいくらでも楽しくなる!という側面もあります。新島・式根島での新しい生活が実りあるものになることを、スタッフ一同願っています。

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